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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
2.皮膚疾患の病態
アレルギー疾患経皮感作の重要性―喘息も経皮感作か
Impact of epicutaneous sensitization with allergens on allergic diseases:Can asthma be also induced by allergen sensitzation through skin?
猪又 直子
1
Naoko INOMATA
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科
1Dertment of Environmental Immuno-Dermatology, Yokohama City University Graduate School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
アレルギーマーチ
,
気管支喘息
,
フィラグリン
,
経皮感作
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
アレルギーマーチ
,
気管支喘息
,
フィラグリン
,
経皮感作
pp.40-46
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103612
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要約 フィラグリン遺伝子変異の発見を機に,アレルギー疾患全般の概念は,アレルギー一辺倒から表皮バリア障害へとパラダイムシフトを起こしつつある.フィラグリンは,アトピー性皮膚炎のみならず,小児アレルギーの自然史の象徴である「アレルギーマーチ」を規定する遺伝子としても注目されている.ただし,アレルギー疾患の形成には,表皮(角層)バリア障害だけでなく,経皮感作の関与が必要との見方が強い.すなわち,表皮バリア障害の存在下に,外来抗原の経皮感作が進むことによって初めて,皮膚炎が顕在化し,全身性のアレルギー反応が誘導される.したがって,表皮バリア障害の修復や維持管理によって,経皮感作を予防できれば,アトピー性皮膚炎だけでなく,アレルギー疾患全般の発症を予防できるかもしれない.「アレルギーマーチ」を阻止できるのは,われわれ皮膚科医かもしれない.
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