特集 皮膚アレルギーの研究 アップデート~経皮感作とアレルギー~
VI.経皮感作と食物アレルギー
猪又直子
1
Naoko Inomata
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学准教授
pp.872-883
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201306058
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経皮感作による食物アレルギーが発症するためには,表皮バリア障害の存在下に,食物抗原で頻回曝露される状況が必要であり,主に3つの臨床パターンがある。すなわち,〈1〉 アトピー性皮膚炎乳児の食事での曝露,及び 〈2〉 調理に関連する職業性曝露,〈3〉 食物成分含有製品の美容的施術による曝露である。経皮感作の生体側危険因子として,フィラグリン遺伝子変異のような内因的バリア障害のほかに,掻破や界面活性剤などの外因的バリア障害がある。一方,抗原側危険因子には,プロテアーゼ活性のように,バリア障害やDanger signalなどの感作惹起作用を併せ持つ抗原が挙げられる。