Japanese
English
特集 消化管感染症の発症メカニズム
2.赤痢菌の感染機構と宿主免疫からの回避の手口
Infection system by Shigella and their tactics for evasion against host immune responses
鈴木志穂
1
,
鈴木敏彦
2
Suzuki Shiho
1
,
Suzuki Toshihiko
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細菌感染制御学分野 助教
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細菌感染制御学分野 教授
キーワード:
Ⅲ型分泌装置
,
エフェクター
,
細胞死
,
感染防御
,
免疫回避
Keyword:
Ⅲ型分泌装置
,
エフェクター
,
細胞死
,
感染防御
,
免疫回避
pp.37-44
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609037
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赤痢菌は大腸菌ときわめて近縁であるにもかかわらず,非常に特徴ある感染様式と免疫回避能を示すグラム陰性の病原細菌である。この菌は一部の亜群を除き病原性に強く関与する毒素は産生しないが,ヒトの腸管組織に侵入し,シビアな炎症を誘導することによって粘血性下痢という病態を惹起する。本稿ではそのユニークな感染様式の特徴を概説するとともに,近年明らかになってきたⅢ型分泌装置を介して分泌されるエフェクターの多彩な役割と,それらによる非常に巧妙な宿主免疫回避の手口についても触れる。