Japanese
English
特集 消化管感染症の発症メカニズム
1.コレラ菌
Vibrio cholerae O1 and O139
山城哲
1
Yamashiro Tetsu
1
1琉球大学大学院医学研究科細菌学講座 教授
キーワード:
コレラ毒素
,
定着因子
,
CTXΦ
,
下痢症
Keyword:
コレラ毒素
,
定着因子
,
CTXΦ
,
下痢症
pp.29-36
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609029
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
コレラの発症にはコレラ菌がもつ主要な病原因子であるコレラ毒素および定着因子(toxin-coregulated pilus:TCP)の関与が重要であるとされている。これら2つの病原因子はいずれも外来性のファージ等がコレラ菌に感染し溶原化を通じて獲得されたものである。本来,由来を異にする2つの因子の転写・発現にはコレラ菌体内でさまざまな転写活性因子が関係し協調的に制御されている。コレラ菌は外部環境の変化に応じてさまざまに外来性因子を取り入れてきたとされるが,2つの病原因子の獲得はその一例であろう。コレラの病原性の発現に関して,さまざまな研究を通じて得られた知見の一端を概説する。