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特集1 いわゆるヒト喰いバクテリアと劇症型感染症
5.劇症型溶血性レンサ球菌感染症における宿主免疫応答
Host immune responses in severe invasive group A Streptococcus infections
松村隆之
1
,
阿戸学
2
Matsumura Takayuki
1
,
Ato Manabu
2
1国立感染症研究所免疫部第二室 研究員
2国立感染症研究所免疫部 部長
キーワード:
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
,
免疫回避
,
好中球
,
未熟骨髄系細胞
Keyword:
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
,
免疫回避
,
好中球
,
未熟骨髄系細胞
pp.57-64
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201307057
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)は一旦発病すると急速に進行し,ショック症状,多臓器不全などをともなう致死率の高い重篤な感染症である。集団発生がきわめてまれで,高齢男性や生活習慣病などの危険因子があり,感染部位に炎症細胞浸潤が乏しいという特徴から劇症型感染起因菌であるStreptococcus pyogenesが宿主生体防御を障害することが示唆されているが,その詳細な機序は不明であった。本稿では,劇症型レンサ球菌感染症において主要な宿主防御細胞である好中球の機能障害をもたらす感染起因レンサ球菌の病原因子と,好中球減少にともない誘導される新規未熟骨髄系細胞の役割についての知見を解説する。