特集 臓器障害・生理機能に対応した抗菌薬の適正使用
2.特殊な患者に対する抗菌薬の使用方法-種類の選択・用法用量設定・適正使用-
6)高齢者
藤田崇宏
1
Fujita Takahiro
1
1東京大学医学部在宅医療学拠点 特任助教
キーワード:
: 高齢者
,
耐性菌
,
腎機能低下
,
相互作用
Keyword:
: 高齢者
,
耐性菌
,
腎機能低下
,
相互作用
pp.91-98
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201603091
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高齢者においても抗菌薬を選択する原則は同じである。耐性菌が検出されるリスクが高いため,初期治療の時点では患者背景をよく吟味して選択する必要がある。加齢にともなう生理学的な変化が及ぼすもっとも重要な点は腎機能の低下であり,血清クレアチニン値が正常範囲内であっても慎重に腎機能の見積もりを行うべきである。十分な治療効果を得るためには,初期投与は腎機能にかかわらず通常量を投与し,腎機能に応じて,その後の用量調節を行う。慢性疾患とその治療薬に抗菌薬との相互作用の可能性があるため,薬歴,病歴は詳細に確認する必要がある。