特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第11章:腎 臓
心不全による腎機能低下には腎うっ血に伴うものが多い
清水 諭
1
,
阿部 雅紀
1
1日本大学腎臓高血圧内分泌内科
キーワード:
心腎連関症候群(CRS)
,
急性腎障害(AKI)
,
腎機能低下
,
腎うっ血
Keyword:
心腎連関症候群(CRS)
,
急性腎障害(AKI)
,
腎機能低下
,
腎うっ血
pp.729-732
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_729
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
心不全に合併する腎障害
古くから心疾患と腎臓疾患は高率に合併することが多く,2008年Roncoらにより心腎連関症候群(cardio-renal syndrome:CRS)という概念が提唱された1).CRSは1型から5型までの分類があり,とくにCRS1型は急性心不全を原因とする急性腎障害(acute kidney injury:AKI),CRS2型は慢性心不全を原因とする慢性腎不全であり,急性心筋梗塞にAKIが合併するのは約20%,慢性心不全に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が合併するのは約60%といわれており,臨床現場で遭遇する機会は多いと思われる.また,心不全患者の予後は腎機能(糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR))の低下に依存して予後不良となる.そのため,心不全に合併する腎障害への治療介入は重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021