特集 臓器障害・生理機能に対応した抗菌薬の適正使用
2.特殊な患者に対する抗菌薬の使用方法-種類の選択・用法用量設定・適正使用-
3)免疫不全患者
冲中敬二
1
Okinaka Keiji
1
1国立がん研究センター東病院/中央病院 総合内科/造血幹細胞移植科
キーワード:
: 免疫不全
,
発熱性好中球減少症
,
PK-PD
,
Antibiogram
,
De-escalation
Keyword:
: 免疫不全
,
発熱性好中球減少症
,
PK-PD
,
Antibiogram
,
De-escalation
pp.67-75
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201603067
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免疫不全患者の感染症を診療する場合には,目の前の患者にどのような免疫不全があるのかを把握することが問題となる病原体や臓器の鑑別に役立ち,適正な抗菌薬治療につながる。発熱性好中球減少症(FN)は内科エマージェンシーであり,早期の適切な抗菌薬治療が不可欠である。FN下では分布容積およびクリアランスの増加により,薬物血中濃度は低下しやすい傾向があることが知られており,十分量の抗菌薬投与を心がける。FN時であっても,病原体、感染臓器を詰める努力を怠らないことが重要であり,狙うべきターゲットもなく,不必要に広域な抗菌薬へ変更することは慎むべきである。