Japanese
English
特集 腎疾患の診断と治療 最前線
I.総論:症候と検査値異常からみた診断へのアプローチ
2.腎機能(糸球体および尿細管機能)異常
Renal glomerular and tubular dysfunction
山田 宗治
1
Yamada Muneharu
1
1東京医科大学八王子医療センター腎臓病センター腎臓内科・血液浄化療法室
キーワード:
腎機能低下
,
推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)
,
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)
,
慢性腎臓病(chronic kidney desease:CKD)
,
シスタチンC
Keyword:
腎機能低下
,
推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)
,
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)
,
慢性腎臓病(chronic kidney desease:CKD)
,
シスタチンC
pp.7-12
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001566
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1 はじめに
腎機能異常においては,異常の程度および原疾患がさまざまであるため,症例ごとに臨床像は大きく異なる。腎機能が,どのくらいの時間的経過で悪化しているか,どの程度の障害を認めているかについて留意することが重要である。日常診療における腎機能の評価は,最も簡便に利用できる腎機能のマーカーである血清クレアチニン(Cr),およびその血清Cr値と年齢,性別の3つのパラメータから推算される日本人の推算糸球体濾過量(Japan Society of Nephrology estimated glomerular filtration rate:JSN eGFRcr;以下eGFRcr)を用いる1)。eGFRcrは,実際には尿細管での再吸収や分泌・代謝など濾過機能と無関係な要因の影響を受けるものの,大局的には濾過機能とよく相関するため,日常診療に用いることが推奨されている。腎機能異常を認めた際には,確定診断として腎生検による病理組織診断が必要であるが,病歴,身体所見,検査所見(血液・尿・画像)から腎の臨床症候を把握することで多くの場合,診断が推定可能である。
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