Japanese
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特集 臨床で注意すべき感染症治療薬の相互作用とメカニズム
II 系統別に見た感染症治療薬の相互作用 6.抗結核薬における相互作用
Food and drug interaction of antitubercular drugs
池谷修
1
,
長谷川直樹
2
Iketani Osamu
1
,
Hasegawa Naoki
2
1慶應義塾大学病院感染制御センター/薬剤部 主任
2慶應義塾大学病院感染制御センター 教授
キーワード:
相互作用
,
リファンピシン
,
イソニアジド
,
薬物体内動態
,
酵素誘導
Keyword:
相互作用
,
リファンピシン
,
イソニアジド
,
薬物体内動態
,
酵素誘導
pp.94-103
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510094
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抗結核薬の相互作用について考える場合,2002年4月の「初回治療患者の標準療法に関する基準の見直し」(日本結核病学会治療委員会)におけるFirst-line Drugsとして使用される,イソニアジド(INH),リファンピシン(RFP),ピラジナミド(PZA),エタンブトール(EB),ストレプトマイシン(SM)の5種類のうち,臨床上,もっとも重要な相互作用は,RFPの肝代謝酵素の誘導作用に基づく薬物間相互作用および,INHのアミン酸化酵素阻害作用に基づくチラミンやヒスチジンを多く含む食品などを摂取した場合に生じる薬物食物相互作用の2つがあげられる。これらの相互作用は多岐にわたり,強力なことから,本稿では,これらを中心に抗結核薬の相互作用について実臨床における回避方法や代替療法も含め述べていく。また,相互作用の“強さ”を表す指標としては,基本的に継時的な薬物の曝露量の指標である血中濃度-時間曲線下面積(area under the curve:AUC)を用いて論じていく。