Japanese
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特集 敗血症ショックの新たな理解と集学的治療法
II 臨床 2.敗血症性ショックにおける感染症診断と抗菌治療
Diagnosis and antimicrobial treatment of infection in septic shock
志馬伸朗
1
Shime Nobuaki
1
1京都医療センター救命救急科 医長
キーワード:
敗血症性ショック
,
抗菌療法
,
経験的治療
,
De-escalation
Keyword:
敗血症性ショック
,
抗菌療法
,
経験的治療
,
De-escalation
pp.75-84
発行日 2014年3月25日
Published Date 2014/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201404075
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敗血症性ショックの治療戦略において原因感染症への診断治療介入は最重要事項である。診断においては,感染巣を可及的に推定し,抗菌薬開始前に推定巣からの微生物検体と血液培養を複数セット採取する。抗菌治療のポイントは,適切な経験的抗菌治療であり,〈1〉のちに判明する原因菌に対して微生物学的に感受性のある薬剤を,〈2〉診断1時間以内に開始する。特に,緑膿菌やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の蓋然性を十分に評価し,カバー漏れをなくす。原因菌判明後は,感受性結果を参考に可及的狭域/単剤の抗菌薬にDe-escalationする。PK(pharmacokinetics)-PD(pharmacodynamics)理論に基づく延長投与や持続投与の知見は十分ではない。治療期間は臨床経過を加味し,可及的短期に終了する。