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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
1.薬剤耐性プラスミドについて
Drug-resistant plasmids
切替照雄
1
Kirikae Teruo
1
1国立国際医療研究センター研究所感染症制御研究部 部長
キーワード:
Rプラスミド
,
不和合性
,
薬剤耐性
,
トランスポゾン
,
インテグロン
Keyword:
Rプラスミド
,
不和合性
,
薬剤耐性
,
トランスポゾン
,
インテグロン
pp.25-30
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507025
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1952年,米国の分子生物学者Joshua Lederbergは,大腸菌の接合を説明するために,細菌の染色体外に存在する遺伝子に対して「プラスミド」という用語を創った。それから数年後の1959~1960年,わが国の複数の研究者により,多剤耐性赤痢菌から大腸菌に薬剤耐性が伝達されることが報告された。その後,多くの日本の研究者によってこの現象がプラスミドによることが明らかにされ,研究の中心となった群馬大学の三橋進教授によって,このプラスミドはRプラスミドと名づけられた。プラスミドが細菌の進化に果たしている役割はきわめて大きいと考えられる。この中で,Rプラスミドに代表される薬剤耐性プラスミドは人類の抗菌薬の使用の歴史とともに進化してきている。本稿ではプラスミドに関して一般的な概説を行う。