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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
序 -菌株,菌種間を伝達して拡散する薬剤耐性遺伝子-
Drug resistance genes transferable among bacterial strains and species
荒川宜親
1
Arakawa Yoshichika
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学/耐性菌制御学分野 教授
キーワード:
伝達性プラスミド
,
薬剤耐性遺伝子
,
アウトブレイク解析
,
ゲノム解析
,
感染制御
Keyword:
伝達性プラスミド
,
薬剤耐性遺伝子
,
アウトブレイク解析
,
ゲノム解析
,
感染制御
pp.22-24
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507022
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近年,全地球規模でカルバペネマーゼを産生するアシネトバクター属菌や腸内細菌科の菌種が増加し,国際的に診療上の大きな懸念事項となっている。カルバペネマーゼの遺伝子のみならず,アミノグリコシド耐性やフルオロキノロン耐性に関与する遺伝子も伝達性プラスミドにより媒介されていることが多く,しかも複数の薬剤耐性遺伝子が1セットになって,伝達性プラスミドにより菌株間や菌種間に広がりつつある。そのため,アウトブレイク時の感染源や感染経路の調査において従来のパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)による評価が困難となり,感染制御上,大きな障害となっている。本特集は,医療現場において日常的に感染制御や感染症治療の第一線で活躍しておられる方々に,プラスミドにより薬剤耐性遺伝子が媒介されている多剤耐性菌の特長や現状に関し理解を深めていただき,日常診療において参考にしていただけることを期待して企画された。