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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
2.グラム陽性菌におけるプラスミド媒介性の薬剤耐性の特長 1)ペニシリン耐性
Penicillin resistance in Gram-positive bacteria
山田景子
1
Yamada Keiko
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学/耐性菌制御学分野 助教
キーワード:
ペニシリン耐性
,
グラム陽性
,
変異
Keyword:
ペニシリン耐性
,
グラム陽性
,
変異
pp.32-40
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507032
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グラム陽性菌におけるプラスミド媒介性のペニシリン耐性については,ペニシリナーゼ産生による薬剤の不活化が主である。しかしながら,グラム陽性菌のペニシリン耐性機構は,ターゲットの変化による薬剤の親和性の低下,薬が結合できない酵素の存在や獲得,薬剤透過性の低さも関与しているとされ,内在性の変異だけでなく,染色体性に保持された耐性遺伝子を類縁菌種から授受する機構も重要な役割を果たしていることが知られている。そうした視点から,臨床上,問題となる主要なペニシリン耐性グラム陽性菌について染色体性の耐性因子も含めて概説する。未知の機構も含めて,グラム陽性菌の耐性獲得メカニズムの多様性を念頭に,今後の感染制御の参考にしていただければ幸いである。