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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
2.グラム陽性菌におけるプラスミド媒介性の薬剤耐性の特長 3)マクロライド/ケトライド耐性
Plasmid-mediated resistance to macrolide/ketolide in Gram-positive bacteria
山本友子
1
Yamamoto Tomoko
1
1千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野 特任教授
キーワード:
マクロライド耐性
,
トランスポゾン
,
プラスミド
Keyword:
マクロライド耐性
,
トランスポゾン
,
プラスミド
pp.56-66
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507056
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マクロライド系およびケトライド系抗菌薬はリボソームの50Sサブユニットを構成する23S rRNAに結合し,タンパク合成を阻害することで抗菌活性を示す。マクロライド系薬はおもに23S rRNAの2058位のアデニン(A2058)に結合するが,ケトライド系薬のテリスロマイシンはA2058に加え,A752にも結合し,リボソームへより強い親和性を示す。マクロライド/ケトライドに対する耐性機構は多岐にわたっているが,プラスミドやトランスポゾンが関与する獲得性の耐性因子として,〈1〉 23S rRNA A2058のジメチル化による薬剤の結合阻害,〈2〉 薬剤の細胞外への排出,〈3〉 各種酵素による薬剤の不活化等があげられる。本稿では,獲得型耐性機構,耐性遺伝子,さらに菌種間伝搬にかかわる耐性遺伝子の可動因子について紹介する。