Japanese
English
特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
6.薬剤耐性プラスミドの菌株間伝達や菌種間伝達を考慮したアウトブレイク発生時のプラスミド解析
Plasmidome network analysis for the outbreak involving a horizontal transfer of antimicrobial resistance genes among various bacterial species
黒田誠
1
Kuroda Makoto
1
1国立感染症研究所・病原体ゲノム解析研究センター センター長
キーワード:
プラスミド
,
不和合性
,
Incompatibility group
,
S1 nuclease
,
PFGE
,
Next-generation sequencing(NGS)
,
ネットワーク解析
,
ESBL
,
CRE
,
CPE
,
カルバペネマーゼ
Keyword:
プラスミド
,
不和合性
,
Incompatibility group
,
S1 nuclease
,
PFGE
,
Next-generation sequencing(NGS)
,
ネットワーク解析
,
ESBL
,
CRE
,
CPE
,
カルバペネマーゼ
pp.135-143
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507135
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薬剤耐性菌の蔓延は世界的に重要な問題となっており,耐性菌が分布する地域から,ヒト,家畜,食糧等の移動にともない世界中に拡散していることが懸念されている。この薬剤耐性遺伝子の拡散はプラスミド等の可動性因子を介して他の菌に伝達することがひとつの要因であり,菌種を超えた薬剤耐性の水平伝達が頻繁に生じている事実が,さまざまな実態疫学・分子疫学による解析を難解にしている。分離菌株のゲノム情報を基盤にしたトレースが比較的容易になりつつあるが,相同組換えで頻繁に遺伝子単位を入れ替え,かつ類縁菌に水平伝達するプラスミドは単純な垂直伝播ではないため,実態にあわせた情報解析法を必要としている。我々は,独自開発したプラスミド解析システムGPAT(未公開)と相互ネットワーク解析システムiPAT(未公開)を考案し,薬剤耐性菌伝播のルーツを探るシステム開発の強化を図っている。