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特集1 いわゆるヒト喰いバクテリアと劇症型感染症
4.劇症型溶血性レンサ球菌感染症の発症に寄与する細菌因子
Molecular mechanisms underlying severe invasive group A streptococcal disease
住友倫子
1
,
川端重忠
2
Sumitomo Tomoko
1
,
Kawabata Shigetada
2
1大阪大学大学院歯学研究科口腔細菌学教室 助教
2大阪大学大学院歯学研究科口腔細菌学教室 教授
キーワード:
A群レンサ球菌(GAS)
,
劇症型(A群)溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
,
病原因子
Keyword:
A群レンサ球菌(GAS)
,
劇症型(A群)溶血性レンサ球菌感染症(STSS)
,
病原因子
pp.48-55
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201307048
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A群レンサ球菌(group A Streptococcus:GAS)は咽頭炎や膿痂疹などの局所性化膿性疾患の起因菌として知られているが,ときとして致死率の高い劇症型(A群)溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)を惹起する。GASは多彩な組織侵入因子を駆使し,物理的バリアである上皮細胞層を突破する。その後,分泌型プロテアーゼや菌体表層タンパクにより宿主の生体防御機構を巧妙に回避し,血液や組織中で生存する。また,GASはヒト体内での定着や伝播の過程において,二成分制御系により外界の環境変化をすみやかに感知し,病原因子の発現調節を行うことが明らかになってきた。