特集 感染症再見
国内発生している致死率の高い感染症
①劇症型溶血性レンサ球菌感染症
池辺 忠義
1
1国立感染症研究所細菌第一部
pp.34-38
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101710
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome)は1987年に米国で最初に報告され,その後,先進国ばかりでなく,発展途上国からも報告されている.日本における最初の典型的な症例は1992年に報告されており,現在までに500人を超える患者が確認されている.そして,このうち約30%が死亡しているというきわめて致死率の高い感染症である.A群レンサ球菌感染による一般的な疾病は咽頭炎であり,その多くは小児が罹患する.一方,劇症型溶血性レンサ球菌感染症は大人から子どもまで広範囲の年齢層に発症するが,特に30歳以上の大人に多いのがひとつの特徴である.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.