増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル
Ⅲ.産科編
周産期救急疾患への初期対応
劇症型A群β溶血性レンサ球菌感染症
田丸 俊輔
1
1埼玉医科大学産科婦人科
pp.226-229
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209685
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当直医へのコール
◉劇症型A群β溶血性レンサ球菌感染症(劇症型GAS感染症)は,発熱,上気道炎症状,筋肉痛などの非特異的なウイルス感染症のような症状で発症することが多く,初期段階での診断は困難な場合がほとんどである.
◉劇症化した際には病状が急速に増悪し,集学的治療を行っても敗血症性ショック,DICから母体・胎児死亡に至る危険性が高いため,疾患を疑った段階で高次医療機関へ速やかに搬送し,診療科横断的に治療を開始することが重要である.
◉感染の関与が疑われ,急速な経過を辿った流産・胎児死亡・早産例では,本疾患の可能性も念頭に置いて精査を進めることが重要である.
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