第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
肺癌治療薬
駄賀晴子
1
1大阪市立総合医療センター腫瘍内科・部長/臨床腫瘍センター長
pp.324-330
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913324
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺癌は大きく非小細胞癌と小細胞癌に分類され,それぞれに応じた治療方針の決定と薬剤選択が行われる。小細胞肺癌においては,免疫チェックポイント阻害剤などの新たな治療開発が行われているが,日本において新たに承認された薬剤はなく,大きな治療の変化は見られていない。一方,非小細胞肺癌においては,ドライバー遺伝子に対するキナーゼ阻害剤,免疫チェックポイント阻害剤を中心とした薬剤開発により,さらなる治療成績の向上が見られる。本稿では2018年に新たに承認されたBRAF V600E陽性肺癌に対するダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法,ALK(anaplastic lymphoma kinase)陽性肺癌に対する第3世代ALK阻害剤のロルラチニブ,EGFR(Epidermal growth factor receptor)遺伝子変異陽性肺癌に対する初回治療として適応拡大になったオシメルチニブ,PD-L1(programmed death-ligand 1)阻害剤であるアテゾリズマブとデュルバルマブについて説明する。