第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
肺癌治療薬
中道真仁
1
,
弦間昭彦
2
1日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
2日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野・教授
pp.329-335
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613329
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近年,肺癌治療薬は劇的に変化し,EGFR(上皮成長因子受容体),ALK(未分化リンパ腫キナーゼ),VEGF(血管内皮成長因子)などの特定の標的分子に対する薬剤(分子標的薬)はもちろんのこと,PD-1(programmed death 1),PD-L1(PD-1リガンド),CTLA-4(cytotoxic T lymphocyte-associated antigen 4)などを標的とする,免疫チェックポイント阻害剤の開発が進んでいる。免疫チェックポイント阻害剤として,ニボルマブ,第三世代EGFR-TKIs(チロシンキナーゼ阻害剤)としてAZD9291とrociletinib(CO-1686),VEGF阻害剤としてラムシルマブ,ALK阻害剤としてceritinibの良好な臨床試験結果が報告されており,今後本邦でも承認が期待される。本稿では,これらの5つの肺癌治療の新薬を中心に解説する。