第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
肺癌治療薬
阿部徹哉
1
1新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科・講師
pp.328-335
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713328
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2015 年末から2016 年にかけて,肺癌の薬物療法においては新規薬剤の承認,適応追加が相次いだ。従来の上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)や未分化リンパ腫キナーゼチロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)の耐性変異に対しても有効な次世代チロシンキナーゼ阻害薬(オシメルチニブ,セリチニブ),長年二次治療の標準治療薬であったドセタキセル単剤療法との併用で全生存期間の延長を証明した新規血管新生阻害薬(ラムシルマブ),そして今後最も発展が期待される免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ,ペムブロリズマブ)である。これらの新規薬剤により,難治癌である進行肺癌の治療成績のさらなる向上が期待されている。