第Ⅱ部 注目の新薬
「リムパーザ®錠100mg,同150mg」
杉山徹
1
1高邦会高木病院女性腫瘍センター長/国際医療福祉大学教授
pp.275-282
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913275
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オラパリブは,DNAの一本鎖切断修復の主要酵素であるPARP(poly ADP-ribose polymerase)を選択的に阻害する経口の分子標的治療薬である。本邦では2018年1月,プラチナ感受性再発卵巣癌を対象に,プラチナ製剤を含む化学療法施行後の維持療法(単剤)の適応にて承認された。再発卵巣癌治療においては,化学療法が繰り返し施行されるが,再発回数が増えるにつれて,化学療法の奏効期間は短縮する。化学療法奏効後にオラパリブ単剤を「維持療法」として使用することで,プラチナ感受性再発卵巣癌の無治療期間が延長することがランダム化試験で示された。有害事象は比較的少ないが,悪心・嘔吐や疲労感に加え,貧血に注意が必要である。