第Ⅱ部 注目の新薬
「サチュロ®錠100mg」
髙忠石
1
1ヤンセンファーマ株式会社 研究開発本部 クリニカルサイエンス統括部 臨床開発部 感染症・ワクチン疾患領域シニアマネージャー
pp.263-274
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913263
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ベダキリンフマル酸塩(サチュロ®錠)は,ベダキリンのフマル酸塩であり,ジアリルキノリン系の新規抗結核薬である。ベダキリンフマル酸塩は,Mycobacterium tuberculosisのアデノシン5'-三リン酸(ATP)合成酵素を特異的に阻害し,増殖期および休眠期の結核菌のいずれに対しても抗菌(殺菌)活性を示す。2012年12月,米国で多剤耐性結核菌(MDR-TB:multidrug resistant-tuberculosis)による肺結核の新規治療薬として承認されて以降,2018年9月現在,MDR-TB肺結核に対する多剤併用療法の1剤として世界50以上の国または地域で承認され,本邦でも「適応菌種:本剤に感性の結核菌」および「適応症:多剤耐性肺結核」で2018年1月に製造販売承認を取得し,同年5月の市販開始時からResponsible Access Programに基づく適正使用が行われている。