第Ⅱ部 注目の新薬
「プレバイミス®点滴静注 240mg」
竹中克斗
1
1愛媛大学大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学(第一内科)・教授
pp.283-288
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913283
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抗サイトメガロウイルス(CMV)薬のレテルモビル(プレバイミス®)は,CMVのターミナーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する新規抗CMV薬である。これは,ウイルスDNAポリメラーゼ阻害を主な作用機序とした従来の抗CMV薬とは大きく異なる特徴である。同種造血幹細胞移植後の非再発死亡の大きな原因の一つであるCMV感染症に対して,現在は,移植後にCMV感染のモニタリングを行い,CMVの再活性化を認めた時点で,抗CMV薬を開始する先制治療が標準的に行われている。しかし,CMV再活性化そのものが,非再発死亡を増加させることが明らかとなり,毒性の低いレテルモビルは,CMV予防としての保険承認が得られたことより,今後先制治療から予防治療へのシフトが期待される薬剤である。