特集 加速する核酸医薬開発
4.第3の核酸医薬プラットフォーム・ヘテロ2本鎖核酸
山田大貴
1
,
吉岡耕太郎
2
,
横田隆徳
3
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野(神経内科)
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野(神経内科)・特任助教
3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学分野(神経内科)・主任教授
pp.607-613
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902607
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アンチセンス核酸(antisense oligonucleotide:ASO)や2本鎖short interfering RNA(siRNA)は,生体内で遺伝子発現調節を行える有効な薬剤として開発が進められてきたが,標的臓器への到達量が少ないことや副作用のあることが,臨床応用を妨げてきた。我々は第3の新規核酸医薬として,ヘテロ2本鎖核酸(heteroduplex oligonucleotide:HDO)を開発した。α-tocopherol結合型のHDO(Toc-HDO)は,生体内でASOより高い標的臓器到達および遺伝子発現抑制効果を有し,肝毒性等の副作用は軽減が期待できる。HDOはペプチド・抗体など,さまざまなリガンドを結合できることが特徴で,修飾核酸等を合わせた工夫によりさまざまな標的や効果が期待でき,特に神経難病治療を目指して開発を推進している。