特集 加速する核酸医薬開発
5.siRNAのDDS開発の現状と展望
佐藤悠介
1
,
原島秀吉
2
1北海道大学大学院薬学研究院薬剤分子設計学研究室
2北海道大学大学院薬学研究院薬剤分子設計学研究室・教授
pp.615-619
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902615
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Short interfering RNA(siRNA)は,RNA干渉により任意の遺伝子発現が抑制可能な機能性核酸である。多くの難治性疾患に対する新規治療モダリティとして魅力的であるが,単独では組織移行能を示さないことから,医薬としての応用には目的細胞へ選択的かつ効率的にsiRNAを送達する技術(drug delivery system:DDS)の開発が不可欠である。これまでに脂質,ポリマーやリガンド分子コンジュゲート等の多様な分子設計・マテリアル開発がなされてきており,複数の製剤が臨床試験に進んでいる。2018年8月には世界初のsiRNA医薬品が認可され,まさにsiRNA医薬時代の幕開けとなった。本稿では,近年のsiRNAのDDS開発状況を概説するとともに,今後の課題や展望について述べる。