第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
乳癌治療薬
伊藤良則
1
1がん研究会有明病院乳腺センター乳腺内科・部長
pp.539-543
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813539
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閉経後ルミナル(ER 陽性HER2 陰性)転移乳癌において,CDK(cyclin-dependent kinase)4/6 阻害剤であるパルボシクリブが標準治療薬として臨床導入される。1 次治療におけるレトロゾール+パルボシクリブ,2次治療におけるフルベストラント+パルボシクリブの臨床的有用性が証明された。その他のCDK4/6 阻害であるabemaciclib,ribociclibにおいても,臨床第Ⅲ相試験により有用性が証明されている。生殖細胞系BRCA(breast cancer susceptibility gene)1/2 変異を有するHER2 陰性転移乳癌患者において,olaparib は主治医選択化学療法より優れることが証明された。これらの乳癌治療薬の導入により,乳癌治療の選択肢はさらに多様になる。