特集 喘息治療における分子標的治療
5.併存症 2)アトピー性皮膚炎における抗IL-4受容体α抗体の位置付け
宍戸菜穂美
1
,
菅谷誠
2
1国際医療福祉大学医学部皮膚科学 病院講師
2国際医療福祉大学医学部皮膚科学 主任教授
pp.2437-2443
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018112437
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アトピー性皮膚炎は,特徴的分布を示す湿疹とそう痒を呈するアレルギー疾患である。これまで,ステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬の外用,スキンケア,悪化因子の検索などが治療の中心であったが,これらの標準治療ではコントロール不良な,治療に難渋する症例も少なくなかった。近年,病態の理解が進み,発症に重要な分子をターゲットとした生物学的製剤が開発され,2018年1月,IL(インターロイキン)-4受容体αサブユニットに対する抗体,デュピルマブが本疾患に対する初めての生物学的製剤として日本で承認された。本稿では,アトピー性皮膚炎におけるデュピルマブの位置付けと,現在臨床試験中である気管支喘息におけるデュピルマブの有効性について解説する。