アレルギー疾患に対する生物学的製剤
Ⅱ.内 科 4.抗IL-4R抗体・抗IL-13抗体
佐野博幸
1
,
東田有智
2
Hiroyuki Sano
1
,
Yuji Tohda
2
1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科准教授
2近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科教授
pp.1642-1646
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201712072
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Th2サイトカインであるIL(interleukin)-4,IL-13はIgE(immunoglobulin E)産生やTh2細胞の誘導,気道リモデリングの形成などアレルギー疾患において重要な役割を果たす。IL-4およびIL-13は膜結合型IL-13Rα1とIL-4Rαとのヘテロ二量体を形成するType Ⅱ IL-4受容体に共に結合して生理機能を示すが,IL-4はこの受容体以外にもType Ⅰ IL-4Rにも結合する。一方,IL-13もType Ⅱ IL-4R以外にIL-13Rα2にも結合する。IL-4,IL-13の機能発現は,各細胞においてどのサブタイプの受容体が高発現しているかによっても異なる。いずれにおいても,現時点ではIL-13のみを抑制する抗IL-13抗体よりもType Ⅱ IL-4受容体を阻害する方が,効率よくアレルギー性炎症を抑制する結果が報告されている。