連載 薬剤師による処方設計〈60〉
外来がん化学療法における薬剤師による血圧管理~分子標的治療薬ベバシズマブによる高血圧~
二瓶哲
1
,
工藤賢三
2
1岩手医科大学附属病院薬剤部/岩手医科大学薬学部臨床薬剤学講座
2岩手医科大学附属病院薬剤部/岩手医科大学薬学部臨床薬剤学講座 薬剤部長/教授
pp.2123-2128
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201709141
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近年,がん化学療法は入院治療から外来通院治療への移行が進んでいる。大腸がん治療では,分子標的治療薬のベバシズマブを併用したがん化学療法を外来で行うことが主流となっている。ベバシズマブでは,高血圧,蛋白尿,出血,創部治癒遅延,消化管穿孔などの新たな副作用プロファイルを持っており,従来の抗がん剤とは違った多彩な副作用を正確に評価し対処することが,治療継続において非常に重要となる。
本稿では,ベバシズマブによる高血圧の管理に焦点を当てて,岩手医科大学附属病院で実施している薬剤師の取り組みを紹介する。