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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管疾患と血管を標的とした治療法
高血圧を標的とした治療ワクチンの開発
Therapeutic vaccine for high blood pressure
中神 啓徳
1
Hironori NAKAGAMI
1
1大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座
キーワード:
ワクチン
,
抗体
,
高血圧
,
核酸医薬
Keyword:
ワクチン
,
抗体
,
高血圧
,
核酸医薬
pp.1141-1144
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131141
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近年,アルツハイマー病や生活習慣病などの慢性疾患治療にワクチンを応用する治療ワクチンの開発が進んでいる.これらの慢性疾患は毎日の内服薬で生涯治療を行うことが大半であるが,その一部を治療ワクチンで置き換えることができれば,薬剤アドヒアランスの改善など患者へのメリットが期待できる.一方で,このような長期作動薬の実用化により通院間隔が長くなることで,医療の質を担保する仕組みが同時に必要になると考えられる.実用化に向けた開発研究のなかで,高血圧に対するアンジオテンシンⅡワクチンではレニン-アンジオテンシン系をターゲットとしたワクチンの基礎研究と臨床試験が実施されてきた.さらに近年,siRNA(small interfering RNA)などの核酸医薬を用いた高血圧治療の治験も実施されており,生活習慣病に対する長期作動薬が臨床の場で使われる未来も近いと考えられる.
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