連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART I .院内製剤(85)
院内製剤ウリナスタチン膣坐剤の最適処方の検討と全国における調製状況
佐竹清
1
,
岩田政則
2
,
中島孝則
3
1さいたま赤十字病院薬剤部・管理製剤課長
2日本薬科大学薬学科臨床薬剤学分野 客員教授
3日本薬科大学薬学科臨床薬剤学分野 教授
pp.2131-2139
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201709149
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切迫早産に対する具体的な治療法として,ウリナスタチン(UTI)膣坐剤およびミラクリッド生食(タンポン用)の処方例が報告されている。その中でUTI膣坐剤の調製法における主薬であるUTIは,凍結乾燥注射剤を用いた調製法のみが記載されている。多価・酵素阻害剤として販売されているUTI製剤には,ミラクリッド(凍結乾燥注射剤)5万単位と,ミラクリッド注射液(水性注射剤)5万単位(持田製薬)の2製剤が存在する。これまでUTI膣坐剤の調製において,凍結乾燥注射剤と水性注射剤をそれぞれ主薬とした膣坐剤の違いについて検討された十分な報告はなく,その最適な製剤処方を検討することは有益であると考える。加えて全国の赤十字病院を対象に,調製の実態と処方内容の調査を行った。