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特集 Onco-Nephrology—がん治療の最新フロンティア
Ⅱ.がん治療と腎障害
分子標的薬と高血圧・腎障害
Hypertension and kidney damage by targeted therapy
野澤 昌弘
1
Masahiro Nozawa
1
1近畿大学医学部泌尿器科学
キーワード:
高血圧
,
腎障害
,
血管新生阻害薬
Keyword:
高血圧
,
腎障害
,
血管新生阻害薬
pp.563-567
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205389
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要旨 血管内皮増殖因子(VEGF)経路阻害薬は,各種固形がんにおいて有効性が証明されている。本邦において腎細胞がんに対して承認されているVEGF経路阻害薬はいずれもVEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(VEGFR-TKIs)であるが,VEGFR-TKIsの共通の有害事象の1つが高血圧であり発症頻度も比較的高い。また,蛋白尿・血清クレアチニン上昇などの腎障害もまれではない。これらの薬剤による高血圧・蛋白尿は欧米人と比較して日本人に多い傾向がある。一方,血清クレアチニン上昇には人種差を認めず,高血圧・蛋白尿との直接的相関も不明である。ただし,治療前から腎障害が存在する症例では,その管理に十分注意することが重要である。
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