第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
気管支喘息治療薬・COPD治療薬
小屋俊之
1
,
長谷川隆志
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器感染症内科学・講師
2新潟大学医歯学総合病院医科総合診療部・副部長/病院教授
pp.440-449
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613440
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気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)の治療は,吸入薬が主体である。吸入薬として新たに追加されたものは,気管支喘息の適応が拡大されたチオトロピウム(ソフトミスト)と,COPDにおけるウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩と,アクリジニウム臭化物およびチオトロピウム臭化物/オロダテロール塩酸塩である。その他,分子標的薬としてのモノクローナル抗体の治験が進んでおり,特にIL(インターロイキン)-5, IL-13の抗体は,中等症から重症症例でのランダム化試験において,急性増悪の抑制,呼吸機能の改善などの効果を認めており,今後本邦での実臨床に登場する可能性が高い。