特集 薬剤疫学 ~医療ビッグデータの利活用~
8.医療情報データベースの活用に向けたデータのバリデーション
小出大介
1
,
杉山昇
2
,
平松達雄
2
,
大江和彦
3
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学研究システム学講座 特任准教授
2東京大学大学院医学系研究科臨床疫学研究システム学講座
3東京大学医学部附属病院企画情報運営部・部長/教授
pp.1897-1902
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201608105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大量のデータを迅速に解析できることから,大規模な医療情報データベースを活用した臨床研究に期待が寄せられている。しかし,このようなデータベースに蓄積されるデータや条件抽出したデータがすべて意図した通りのものという保証はなく,それを確かめるのがバリデーションである。バリデーションは大きく2種類,「システムのバリデーション」と「データのバリデーション」に分けられる。本稿では後者の,特にアウトカムのバリデーションについて説明している。この指標としては,主に陽性的中度(PPV)が用いられることが多い。実際のデータのバリデーションの作業には専門医の協力も必要で,判定票に従って実施することになる。海外では既にいくつかアウトカムに関するバリデーション研究が報告されているが,今後国内でも同様に増えることが期待される。