連載 実務実習をより良くするために 16
5年間の蓄積より得られた実習生の自己評価を高くするために改善の必要な実習項目
大嶋繁
1
,
武藤香絵
2
1城西大学薬学部薬学科薬局管理学,実務実習コーディネイト 准教授
2城西大学薬学部薬学科薬局管理学,実務実習コーディネイト
pp.891-901
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201603891
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薬学教育の実務実習が始まってから5年が経過した。城西大学では初年度より,SBO(specific behavioral objective:到達目標)項目ごとに3段階(未実施も含めると4段階)で学生に自己評価をさせている。今回,5年間の学生の自己評価を集計して,自己評価の低い項目を抽出した。学生間のばらつきを見るために,変動係数も算出した。学生の自己評価と指導薬剤師の学生に対する評価を比較して差を求め,これらに頻出するSBOを抽出した。薬局実習では,18項目が抽出された。これらのほとんどが入手した顧客・患者情報を咀嚼して顧客・患者に活用する項目であった。病院実習では19項目が抽出され,このうち7項目が薬剤管理指導に分類される内容であり,学生は薬学的管理業務について十分に習得できていないと感じていることが分かった。抽出されたSBO 項目の学生の自己評価を高めることによって,学生の実務実習の到達度および施設間格差が解消されると思われた。