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特集 二次性心筋症の見分け方と治療
蓄積性心筋症
Infiltrative and Storage Cardiomyopathy
髙橋 政夫
1
Masao Takahashi
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
1University of Tokyo, Department of Cardiovascular Medicine
pp.677-687
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205993
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はじめに
拡張型心筋症は心移植および近年の集学的な治療が功を奏し,徐々に予後の改善を認めている.一方で肥大型心筋症は重症不整脈への治療と薬物療法が主体であり,根本的な治療が臨床上ないのが現状である.蓄積性心筋症は肥大型心筋症と類似した病態を呈し心筋の拘束性障害を呈する.蓄積性心筋症における肥厚心筋は,蓄積した様々な物質が原因となり心不全を呈し,原疾患治療を行わないと非常に予後不良な疾患群である.臨床上鑑別が重要なのは,心アミロイドーシス,ライソゾーム病(ライソゾームに関連した酵素の欠損または低下)であり,近年蓄積するメカニズムが理解されつつあるため,蓄積性心筋症に対しては早期発見,早期治療という戦略で心筋症の改善が期待できる.蓄積する物質が心筋細胞外であるinfiltrative typeと心筋細胞内に及ぶstorage typeがあるが,本稿は臨床上蓄積することが原因となる心筋症を蓄積性心筋症と定義し,特に心アミロイドーシス,ライソゾーム病の一つであるファブリー病を中心に文献を交えて解説する.
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