特集 カテコールアミン
心筋内イソプレナリン蓄積量減少による心室細動の改善
薗 和美
1
,
曲渕 達雄
1
,
倉橋 和義
1
,
藤原 元始
1
1京都大学・医・薬理
pp.1119-1122
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204539
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1965年Iversenにより,カテコールアミンの非神経性摂取機構のあることが,摘出灌流ラット心臓において明らかにされた1)。その後,ノルアドレナリンが心臓に非神経性に摂取されると,catechol-O-methyltransferase(COMT)により非神経性に代謝されることが明らかにされ2),Bonischらは,カテコールアミンの心筋内への摂取,心筋内での代謝,心筋外への拡散という過程をO-methylating systemと名付けた3)。このO-methylatingsystemは,ラットの心臓のほか,ネコの瞬膜,ラットの顎下腺,ウサギの大動脈にも見られることが報告されている4〜6)。以上のように,カテコールアミンの非神経性摂取機構についてのkinetic analysisの研究はかなり進められてきたが,その機構の機能的役割はあまり明らかにされていない。そこで今回私たちは,カテコールアミンが心筋内に蓄積するということが,心臓機能にどのような影響を及ぼすのかを知る目的で、摘出灌流ラット心臓において神経性に摂取されないイソプレナリンを用い,その心室細動発現と心筋内蓄積量との関係を調べた。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.