第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
気管支喘息治療薬
駒瀬裕子
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科・部長/病院教授
pp.507-517
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513507
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気管支喘息の治療薬は,吸入薬が中心であるが,吸入薬独特の問題がある。患者のアドヒアランスを考慮し,吸入しやすいデバイスや合剤が開発されてきた。ICS/LABA(吸入ステロイド/長時間作用性β2刺激薬)の合剤として,ドライパウダー製剤とMDI(metered dose inhaler)製剤が発売された。一方,今までCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のみに適応があったLAMA(長時間作用性抗コリン薬:チオトロピウム)の喘息への適応拡大が2014年11月より行われた。さらに,喘息のタイプにあわせたモノクローナル抗体の開発もされ,特に,IL(インターロイキン)-13およびIL-5を標的とした遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体は,既存治療によっても喘息症状をコントロールできない中等度から重症喘息の患者において,喘息症状を改善するとともに喘息発作を予防することが期待されている。