第 II 部 注目の新薬
〔経口FXa阻害剤〕「エリキュース®錠2.5mg,同5mg」
鈴木信也
1
,
山下武志
2
1心臓血管研究所付属病院循環器内科(不整脈)・医長
2心臓血管研究所・所長/付属病院・院長
pp.271-279
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413271
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アピキサバンは,長年ワルファリン以外の薬剤のなかった抗凝固療法の領域に新規に開発された経口抗凝固薬(新規経口抗凝固薬)の一つであり,凝固経路の単一の凝固因子(Xa因子)を選択的に阻害する分子標的薬として作用する。心房細動の脳卒中および全身性塞栓症予防に対する臨床試験では優れた成績を認め,同対象への保険適用が本邦でも認可された。他の血栓症領域では,急性冠症候群二次予防,整形外科手術後を中心とした深部静脈血栓症および肺塞栓症予防の領域で臨床試験が行われているが,本邦での保険適用は取得されていない。本稿では,この薬剤の特徴とこれら対象疾患に対する臨床試験の結果を紹介する。