第 I 部 新薬創出に向けた日本の戦略
5.レギュラトリーサイエンスの果たすべき役割
黒川達夫
1
1慶應義塾大学薬学部医薬品開発規制科学講座・教授
pp.265-269
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413265
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新薬・新医療機器研究開発を効率的に推進するためには,基礎研究や臨床開発の展開についてリアルタイムでマネージメントを行い,また開発や出口の戦略確立が重要である。この面でレギュラトリーサイエンス(RS)の果たす役割や重要性が認識され,公的研究補助金や政策の中で関連する人材登用や応用が言及されている。しかしRSはその重要性が最近になって認められた領域であり,独立した学問ドメインとしては発展段階にある。最も大きな困難は,精通した人材の少なさである。当分は現在の体制で工夫するしか方法はなく,またその意味で医薬品医療機器総合機構の薬事戦略相談事業の活用などが勧められる。