連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈33〉
グーフィスⓇ錠5mg
柴田由香里
1
1鹿児島大学病院薬剤部
pp.2300-2303
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102300
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◆製剤の特徴 「グーフィス錠5mg(エロビキシバット水和物)」(以下,本剤)は,回腸末端部において胆汁酸の再吸収に関わるトランスポーターであるIBAT(ileal bile acid transporter)を特異的に阻害するという世界初の作用機序を持つ低分子化合物である。胆汁酸は肝臓で合成され,胆汁の主成分として胆嚢・胆管を経て十二指腸に分泌され,腸肝循環により小腸で約95%が再吸収される。再吸収されなかった胆汁酸は大腸に到達し,大腸内において水分を分泌させ,消化管運動を促進させる。本剤は胆汁酸の再吸収を抑制することで,大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させ,排便を促すと考えられる。 本剤は長期投与においても効果が維持され,主な副作用である腹痛や下痢は減量・休薬で対処可能である。一方,胆汁酸分泌が低下している患者等で効果が期待できない場合があることや,併用注意薬がある点を考慮する必要がある。