第 II 部 注目の新薬
〔アデノシンA2A受容体拮抗薬〕「ノウリアスト®錠20mg」
前田哲也
1
1秋田県立脳血管研究センター神経内科診療部・部長
pp.280-288
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413280
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ノウリアスト®(一般名;イストラデフィリン)は,世界に先駆けて本邦で使用可能となったパーキンソン病治療薬であり,世界初のアデノシンA2A受容体拮抗薬である。線条体のドパミン減少により生ずる運動障害を,線条体および淡蒼球に存在するアデノシンA2A受容体に結合し抑制性神経伝達物質GABA(γ-アミノ酪酸)の放出を抑制することにより,ドパミン受容体を介することなく改善する。運動合併症を呈する進行期パーキンソン病を対象とした国内臨床試験により,オフ時間およびオン時の運動症状に対する有用性が示された。従来の内服状況にアドオンするだけの簡便な投与方法であることと,なおかつ副作用面で高い忍容性を有することから,進行期パーキンソン病に対する幅広い有益性が期待される。今後,本邦で得られる臨床経験のすべては世界を先導するエビデンスとして発信されていくこととなる。