特集 特集1 バイオシミラーの今後のあるべき姿 ~ジェネリック医薬品も視野に~
8.バイオ後続品の品質評価の現状と課題
川崎ナナ
1
1国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部・部長
pp.1375-1380
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405091
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バイオ医薬品の品質上の特徴は,「アミノ酸配列は常に一定であるが,高次構造,糖鎖等翻訳後修飾,分子変化体および不純物のプロファイル等には,製造方法に依存した振れ幅がある」ことである。バイオ後続品においては,先行品と,一次構造は同一であるが,高次構造,糖鎖等の振れ幅や工程由来不純物プロファイルは異なっている。また,先行品との間で品質特性の振れ幅等に多少の差異があったとしても,非臨床・臨床試験により,その差異は有効性・安全性に影響がないことが可能な範囲で検証されている。バイオ後続品の普及にあたっては,バイオ後続品を単なる「先行品と構造が類似しているタンパク質製剤」としてではなく,「差異があったとしても,有効性・安全性に影響がないことが検証されたタンパク質製剤」として,医療関係者や患者に正しく説明していくことが重要であろう。