特集 薬価と病院経営
わが国における後発品の現状と将来
鉄谷 保彦
1
,
上能 伊公雄
1
1市立岸和田市民病院
pp.254-258
発行日 1995年3月1日
Published Date 1995/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901466
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はじめに
厚生省の諮問機関である「21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会」では平成4年10月以来10回にわたって協議が行われ,その最終報告が平成5年5月に提出された.その最終報告書の中でいわゆる「後発品」についての事項が明記されている.その中で「後発医薬品のあり方等」という項目を立て,後発品の有効活用について,またその問題点などを提起している.この報告書は,医薬品の適正使用の推進を前提に,後発品の有効活用とそのための条件整備について初めて言及されたもので,画期的な報告であるといえる.このような「後発医薬品」に対する薬務行政の動きは何が狙いなのか.
それは,本格的な高齢化社会を迎えるにあたって,膨大にふくれあがる医療費の抑制策の一環として,これら安価な後発医薬品を有効に活用し,薬剤費を抑制させるためにほかならない.日本では財源不足から,医療費抑制の動きが顕著である.特に医薬品は,薬価の引き下げなどで,医療費抑制策のターゲットとして注目されている.このような時流の中で,安価な後発医薬品を有効に活用させようという動きが出てきてもおかしくないのである.
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