第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■気管支喘息治療薬・COPD治療薬
長谷川隆志
1
1新潟大学医歯学総合病院医科総合診療部・准教授
pp.455-461
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313455
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2012年度注目すべき薬剤は,ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物 吸入剤(シムビコート®タービュヘイラー®)であり,同薬剤を中心に気管支喘息,COPD(慢性閉塞性肺疾患)の薬物療法の話題を紹介する。ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物 吸入剤1回の吸入で,ブデソニド160μgとホルモテロールフマル酸塩水和物(ホルモテロール)4.5μgを放出するドライパウダー吸入器(タービュヘイラー®)を用いた配合剤であり,成人の気管支喘息に対する治療薬として承認済みであるが,2012年6月に用法用量として「維持療法として定期吸入することに加え,発作発現時に頓用吸入する治療法」が承認され,さらに同年8月には効能効果として「COPDの諸症状の緩解」が承認された。本剤により多くの気管支喘息,COPD患者が高い治療目標に到達することが期待される。その他,現在開発中・承認申請中の薬剤も紹介する。