第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■心不全治療薬
横山広行
1
1国立循環器病研究センター・医療安全管理部長
pp.440-447
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313440
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2012年5月に欧州心臓病学会「急性・慢性心不全ガイドライン2012」が公表され,心不全治療において鉱質コルチコイド受容体拮抗薬であるエプレレノンがクラスI,洞房結節If電流抑制薬であるイバブラジンがクラスIIaで推奨されたことは,2013年以降の心不全治療の方針決定に影響を及ぼすと考えられる。遺伝子組換え型のヒトホルモンrelaxin-2製剤(Serelaxin),アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNIs)LCZ696は,いずれも第III相臨床試験の結果が発表され,今後に期待が寄せられている。また,ユニークな心不全治療薬として2010年に承認されたトルバプタン市販直後調査の結果が公表され,今後は日本からの臨床効果に関する報告が待たれる。