連載 薬剤師による処方設計(19)
個別化薬物療法の実践
三浦昌朋
1
1秋田大学医学部附属病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.2880-2884
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201312156
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免疫抑制剤や抗がん剤のようなハイリスク薬は,重篤な副作用発現の防止や医薬品の適正使用などの面から,個々の患者にとって最適な用量での投与が求められる。すなわち,ハイリスク薬は個別化治療がより重要な薬剤である。秋田大学医学部附属病院においては,薬剤師による個別化処方設計を行っており,これまで個別化治療のエビデンスを構築してきた。免疫抑制剤タクロリムスはチトクロムP450(CYP)3A5遺伝子多型の解析,ミコフェノール酸はLimited Sampling Strategy(LSS)法を用いた維持投与量設計,抗がん剤イマチニブはターゲット血中濃度に合わせた投与量変更など,ハイリスク薬を中心に個別化薬物治療を行っている。結果的に現在,このような処方設計によって有効性および安全性の向上と,医薬品費の削減に貢献している。