Japanese
English
特集 感染症薬の動態と耐性菌研究を基盤とした個別化医療の展望
10.コリスチンによる治療と個別化医療(個別最適化投与)
Clinical application of colistin as a personalized medicine to maximize the efficacy and safety
山田武宏
1
,
石黒信久
2
Yamada Takehiro
1
,
Ishiguro Nobuhisa
2
1北海道大学病院 准教授/薬剤部 副部長
2北海道大学病院 診療教授/感染制御部 部長
キーワード:
コリスチン
,
多剤耐性グラム陰性菌
,
腎機能障害
Keyword:
コリスチン
,
多剤耐性グラム陰性菌
,
腎機能障害
pp.100-106
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201704100
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
コリスチンは,多剤耐性緑膿菌や多剤耐性アシネトバクター,カルバペネム耐性腸内細菌(Carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)などに対して抗菌力を有することから,今後の耐性菌感染症治療における重要な抗菌薬と位置づけられる。また,コリスチン使用の際には,感染症の治療に十分な知識と経験を有する医師,院内感染対策チームあるいはAntimicrobial Stewardship Teamの指導・支援下で適切に使用することが望ましい。本稿では,コリスチンの抗菌薬としての物性・作用機序から体内動態などの特性,耐性化機序もふまえ,患者個々への投与を有効かつ安全に行うために留意すべき点,今後検討されるべき点などについて述べる。